2014年1月24日金曜日

創薬支援ネットワーク

読み方:そうやくしえんネットワーク

大学や研究機関などで行われる基礎研究から、新薬としての実用性が見込めるものを選出し、様々な支援を行うことによって製品化を推進する取り組みのこと。政府の「医療イノベーション5か年戦略」において、「日本版NIH」の創設に先立つプロジェクトとして、2012年度から行われた。具体的には、研究費、研究戦略、技術支援、知財管理、企業との連携などの面で支援が行われる。

創薬支援ネットワークの中心となるのは、厚生労働省の医薬基盤研究所に置かれている、製薬関係者や知的財産権の専門家などからなる「創薬支援戦略室」である。創薬支援戦略室は、民間企業や理化学研究所、産業技術総合研究所と、データベースの共有などを通じた連携・協力が行う。また、スーパーコンピューター「京」、大型放射光施設「SPring-8」、XFEL施設「SACLA」などの研究基盤との連携・協力も行われる。

従来、基礎研究から応用研究、開発研究を経て臨床試験に至るまでの道のりは困難であり、「死の谷」と形容されるほどであった。米国では多くの創薬系バイオベンチャーが創薬過程の支援を行っているが、国内では未発達であるため、創薬支援ネットワークがその役割を担うことが目指されている。

創薬支援ネットワークは、2014年度から本格的に実行段階に移り、特にがんや糖尿病、精神疾患などの8領域に重点的な支援が行われるとされている。