2014年1月10日金曜日

アンフィレグリン

別名:アンフィレギュリン
英語:amphiregulin
英語:AREG

上皮成長因子(EGF)と呼ばれる、細胞の増殖に関係するタンパク質(サイトカイン)の一種。

アンフィレグリンは、細胞の表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)に結合し、線維芽細胞や上皮細胞などの増殖を刺激する一方で、一部のがん細胞に対しては増殖を阻害する作用も知られている。

また、アンフィレグリンは気道の狭窄や分泌物増加などの生体防御反応にも関係しており、喘息に伴う喀痰のうち、ステロイド系薬剤が効かないものを引き起こす原因になるともいわれている。

2013年12月に、東京慈恵会医科大学や愛媛大学などの研究グループは、がん細胞が死滅する際のp53タンパク質による細胞死誘導の過程で、アンフィレグリンの生成量が増加していることを明らかにした。増加したアンフィレグリンには、細胞死誘導を阻害する遺伝子群を阻害することで、結果的に細胞死を促進するというはたらきが見られた。この研究成果は、アンフィレグリンの生成促進により、がん治療の副作用を減らすことができる可能性を示したといわれている。

関連サイト:
Induction of amphiregulin by p53 promotes apoptosis via control of microRNA biogenesis in response to DNA damage. - Proc Natl Acad Sci U S A.