2014年2月10日月曜日

脳波聴力検査

読み方:のうはちょうりょくけんさ
別名:ABR検査
別名:聴性脳幹反応検査

聴覚脳幹誘発電位(ABR)と呼ばれる脳波 の導出により、聴力の有無や程度、あるいは脳幹の機能などを測る検査。被験者にヘッドホンまたはイヤホンを装着させてクリック音刺激を与え、脳神経で発生する活動電位を導出することで判定する。

脳波聴力検査は、被験者による自己申告を伴わない他覚的聴力検査の一種であるため、一般的な純音聴力検査などに比べて客観性が高い検査とされている。新生児や乳幼児、昏睡状態や脳死の患者などにも実施することができるほか、睡眠中や薬物服用中の患者にも覚醒時と同様に実施することができ、再現性が高いことも知られている。

脳波聴力検査は聴力の測定以外に、脳内の病巣の位置の推定手法として行われたり、脳幹の異常をモニタリングする目的で手術中に行われたりすることもある。脳死の患者では特徴的な聴覚脳幹誘発電位の波形が示されるため、脳波聴力検査は脳死判定の基準としても用いられている。

なお、保険金や損害賠償などに関連して、詐欺の目的で聴覚障害を装う事例が知られており、2007年から2008年にかけては、700人以上が身体障害者手帳を不正取得した事件が発生したこともある。そのような詐病は、脳波聴力検査を行えば容易に判別できるとされている。