2014年2月10日月曜日

終末期緩和ケアの世界地図

読み方:しゅうまつきかんわケアのせかいちず
別名:終末期緩和ケアのグローバルアトラス
英語:Global Atlas of Palliative Care at the End of Life

2014年に世界保健機関(WHO)および世界緩和ケア連合(WPCA)が発表した、終末期緩和ケア(ターミナルケア)に関連する資料。終末期緩和ケアを必要とする患者数や実施状況などが、初めて各国ごとにまとめられた資料である。

終末期緩和ケアの世界地図では終末期緩和ケアを必要とする人数に基づき、国が色別に塗り分けられている。10万人あたりの患者数の比較では、ヨーロッパおよびロシアのほぼ全ての国が赤色、すなわち約300人を超える最も高い水準となった。一方、HIV/AIDSに伴う患者数や、終末期緩和ケアを必要とする子供の数では、アフリカの大部分が最も高い水準となった。

病名に着目すると、終末期緩和ケアを必要とする患者のうち、心血管疾患とがんの患者が、それぞれ全体の3分の1を超える高い比率となった。HIV/AIDSの占める割合は全体の5.71%であったが、15歳から59歳の患者は、95%以上がHIV/AIDS患者であった。

終末期緩和ケアの世界地図では、世界中で年間約2000万人が終末期緩和ケアを必要としているものの、その大部分がケアを受けることができていないことが推定された。終末期緩和ケアの実施状況を示した地図では、アフリカからアジアにかけての大部分の国で、モルヒネを含むオピオイド系鎮痛剤がほとんど使用されていないことが示された。また、西アフリカの大部分の国やソマリア、シリア、アフガニスタン、北朝鮮などでは、ホスピスおよび緩和ケアの活動が全く報告されていなかった。

関連サイト:
Global Atlas of Palliative Care at the End of Life January
WHO/世界緩和ケア連合(WPCA)、終末期緩和ケアの世界地図を発表 - NCD Alliance Japan