2014年2月20日木曜日

大学の質保証

読み方:だいがくのしつほしょう
別名:大学の内部質保証
別名:大学の質の保証
別名:大学教育の質の保証
英語:quality assurance for university teaching
英語:quality assurance in university education

大学および学位の信頼性、学生の学力水準などを向上させるために、大学における教育や施設などの質を保証すること。

質保証という概念は、1980年代からの新公共経営(NPM)の採用や新自由主義の高まりとともに、大学における成果や効率が重視されたことから、主に欧米の大学教育で取り入れられてきた。例えば、イギリスには「英国高等教育質保証機構(QAA)」という、高等教育の質を管理する専門の機関がある。欧米における大学の質保証では、授業料を支払う学生をいわば「消費者」として捉え、授業料に見合う確かなサービスを行うことが重視される傾向もある。

近年は、日本でも大学の質保証が重視される傾向にあるが、その目的としては、税金が投入される公的機関としての、大学の質を保証するという意味合いが強いともいわれる。2002年に中央教育審議会は、「大学の質の保証に係わる新たなシステムの構築について」と題した答申を作成し、これを基に学校教育法の改正、国立大学の法人化などが行われた。また、2008年の「学士過程教育の構築に向けて」と題した答申では、大学の質保証のためには、大学ごとの教育内容を最低限共通化することが必要だと提言された。

大学の質保証を実現する具体的手段としては、大学教育のレベルの向上のほか、大学の設置認可の際の評価基準の厳格化などが挙げられる。定期的な評価手段としては、教職員や学生のフィードバックなどを基にした、PDCAサイクルなどの手法を用いた自己点検、自己評価が行われている。認証評価機関などによる第三者評価も行われているが、近年は大学に自主性、自律性を求める動きが強まるとともに、内部質保証システムに基づく改善、改革が重視される傾向がある。

関連サイト:
英国高等教育質保証ガイドブック 日本語訳版 - 大学評価・学位授与機構