2014年3月26日水曜日

三次喫煙

読み方:さんじきつえん
別名:サードハンドスモーク
別名:残留受動喫煙
別名:三次受動喫煙
英語:third-hand smoke

タバコの火が消された後も周囲に残留している、タバコの副流煙に含まれる有害物質を吸入することを指す語。「三次喫煙」の語は、副流煙を直接吸うことを指す、「受動喫煙(二次喫煙)」の派生語である。

タバコ由来の有害物質は、室内のカーペットやソファー、衣服などに長く残留することが知られており、数十年経っても消失しない可能性を指摘した研究もある。また、喫煙者の衣服や体表に付着した物質の吸入も起こりうる。従来から、副流煙に主流煙を超える濃度の有害物質が含まれることは知られてきたが、ニコチンが残留過程で空気中の亜硝酸と反応し、発がん性物質のニトロソアミンに変化する現象も知られており、三次喫煙ではさらに危険性が高まる可能性も示唆されている。

「三次喫煙」の語は、ジョナサン・ウィニコフらが2009年に発表した論文で初めて用いられた。三次喫煙の危険性は十分に把握されていないが、特に床を這って歩く乳幼児に悪影響をもたらすことが懸念されている。また、喫煙が行われた部屋を掃除する従業員は、通常よりも強く三次喫煙の危険に晒されているといわれている。

ウィニコフらの研究では、三次喫煙の危険性が喫煙者によっても、非喫煙者によっても十分に理解されていないことが明らかになった。1500人の喫煙者を対象とした調査で、受動喫煙の危険性は大部分の人が認識していたにもかかわらず、三次喫煙の危険性を認識していたのは半数以下に留まった。

広義の三次喫煙被害には、喫煙が行われた場所で生じる悪臭による精神的被害も含まれることがある。この場合、対処法として消臭剤の散布などが行われることがあるが、それはあくまで臭いが消えただけであって、有害物質は残存していることが指摘されている。

関連サイト:
Beliefs About the Health Effects of “Thirdhand” Smoke and Home Smoking Bans - Pediatrics
What is third-hand smoke? Is it hazardous? - Scientific American