2014年3月12日水曜日

サトシ・ナカモト

別名:中本哲史
別名:ナカモト・サトシ
英語:Nakamoto Satoshi
英語:Satoshi Nakamoto

インターネット上の仮想通貨、「ビットコイン(Bitcoin)」を創設した人物の名義。正体は不明だが、暗号理論やP2Pのシステムに精通した人物が関係していることは確かと見られている。「bitcoin.co.jp」で公開されている論文では、名前に「中本哲史」の漢字があてられている。

2008年に、サトシ・ナカモトと名乗る人物により、暗号理論に関するメーリングリストに、初めてビットコインに関する投稿が行われた。その後、2009年5月に、サトシ・ナカモト名義で、ビットコインの概念や仕組みが論文の形式で発表され、ソフトウェア「Bitcoin-Qt」が公表されたことにより、ビットコインの流通が開始された。サトシ・ナカモトはその後、2010年頃までビットコインのシステムの運営に携わっていたとされるが、2011年には「別のことをやる(moved on to other things)」と書き残し、ビットコイン関連の活動から退いたとされている。

2014年3月現在、サトシ・ナカモトの名義を用いた人物の正体は、依然として謎とされている。サトシ・ナカモトは偽名である可能性もあるとされており、日本人男性を思わせる名前ではあるものの、国籍も性別も不明である。また、個人ではなく、複数人からなるグループだとする説もある。これまで、大学教授や大学院生など、複数の人物がサトシ・ナカモトと推定されてきたが、いずれも名指しされた本人によって否定されている。

米国の「Newsweek」誌は2014年3月に、「ビットコインの創設者ナカモトサトシ」を特定したと報じ、同人物の顔写真や自宅の住所などを公開した。写真の人物は、政府施設などで勤務した経歴がある、ドリアン・プレンティス・サトシ・ナカモトという人物であったが、本人は自身がナカモトサトシであることを否定した。また、ナカモトサトシ当人と思われる人物が「P2P Foundation」のWebサイトで、「私はドリアンではない」と表明している。

イギリスのガーディアン紙は、2013年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」の一人にサトシ・ナカモトをノミネートした。

ちなみに、1ビットコインの1億分の1に相当するビットコインの単位は、サトシ・ナカモトにちなんで「サトシ」と名づけられている。

関連サイト:
Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System - Bitcoin.org
Person of the year 2013 - who would get your vote? - The Guardian
ビットコインの考案者「ナカモト氏」めぐり深まる謎 - ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(2014年3月12日閲覧)