2022年11月28日月曜日

尊い

読み方:とうとい
読み方:たっとい

「尊い(とうとい)」とは、「貴重である・たいへん価値が高い・崇高である・推しやカプが最高に素晴らしい」という意味合いで用いられる表現である。

今日では「尊い」という表現は「たいへん価値がある」「貴重である」という意味において多く用いられている。たとえば「尊い犠牲」「尊い命」「尊い絆」「尊い努力」というような言い回しはよく用いられる。多分に理念的・抽象的であり、金銭的価値では置き換えられず、他の何かと比較することもできないような絶対的なもの、というニュアンスで捉えられる場合が多い。

古代の階級社会においては「身分の高い人」を「尊い人」と形容する用法があったが、この用法は今日では廃れている。「尊い神様」のように表現は「敬うべき・尊敬すべき・尊重すべき」という意味合いと捉えられる。

2010年代後半にはサブカルチャー分野を中心に「推しが尊い」というような言い回しで「尊い」の語を用いる言い方が登場し、ネットスラングとして広がった。この「推し」は自分が好きなキャラクター(またはキャラ同士のカップリング)のことであり、そこに見出された価値の高さが「尊い」と表現されているものと捉えられる。

「尊い」には自分と対象との間にある種のへだたり(隔絶)があるというニュアンスも汲み取れる。その意味では「推しが尊い」も「萌え」と同様、自分と二次元世界との埋まらない隔たりを無意識的に前提した表現と言えるかもしれない。