2011年7月4日月曜日

レアアース鉱床

別名:希土類鉱床
英語:rare earth element deposit

レアアースを産出する鉱床。鉱床とは、地中から鉱物などの天然資源が採掘できる場所のこと。地形によってはレアアース鉱山とも呼ばれる。

世界最大のレアアース鉱床としては、中国・内モンゴル自治区の包頭市近くにあるバイユンオボ鉱床が知られている。2004年には54000トン、世界の50%超の酸化希土類をバイユンオボ鉱床だけで産出している。

米国カリフォルニア州のマウンテンパス鉱床(マウンテンパス鉱山)は、バイユンオボ鉱床に次ぐ規模を持つ。1960年代から1980年代にかけて、マウンテンパス鉱床は世界のレアアースの過半数を産出していた。その後、中国のレアアース市場参入による価格競争の激化に伴い、2002年に閉鎖・市場を撤退している。

マウンテンパス鉱床の撤退後、レアアースの市場は中国が世界市場の90%以上を産出するという状態が続いている。

2000年代の後半から終盤にかけて、中国はレアアース輸出規制を発表。2010年11月現在、マウンテンパス鉱床は20年振りに採鉱を再開したとされており、韓国・カザフスタンはレアアースおよびレアメタルの採掘において共同探査を進めることを発表。日本は、米国とレアアース鉱床やレアアース代替材料の開発について包括的関係を結ぶことを決定。またモンゴルともモンゴル内のレアアース鉱床の共同開発に関する協議を進めている。

なお、2011年7月には太平洋の公海の海底に陸上の数百倍にもおよぶ埋蔵量のレアアース鉱床が存在することを日本の研究チームが発見したと発表され、中国のレアアース市場独占の状況を打開しうるものとして期待されている。

関連サイト:
希土類鉱床のタイプとその特徴 - 産総研