2013年11月13日水曜日

米国家安全保障局

別名:NSA
別名:アメリカ国家安全保障局
英語:National Security Agency

米国政府に属する諜報機関。本部は米国メリーランド州の陸軍基地内に位置する。世界各地に関連施設を擁するといわれており、その中には航空自衛隊の三沢基地も含まれているとされる。膨大な予算と人員を有しているとされるが、それらの詳細は公表されていない。また、組織の存在自体も長年の間秘匿されてきた。

米国家安全保障局は暗号やセキュリティ関連の技術開発などを行うとともに、大規模な通信傍受施設やデータベースを利用した国内外の情報通信の収集分析を行っているといわれている。個人情報収集を含む同局の諜報活動は、主に「テロ対策」を名目として正当化されてきた。しかし、2013年に元職員のエドワード・スノーデン氏の告発をきっかけとして、同局が職権を踰越するサイバースパイ行為を行っていたことが次々に明らかになった。

従来、米国家安全保障局は「エシュロン」という大規模な通信傍受システムを運営してきたといわれてきたが、米国政府はそれを公的には認めていなかった。しかし、2013年6月の「ガーディアン」紙および「ワシントン・ポスト」紙の報道によると、同局は「プリズム(PRISM)」とよばれるシステムを運用し、米国を経由する海底ケーブルからの情報窃取、IT企業などの通信網からの情報収集などを行っていたとされている。

プリズムの収集対象には個人の通話や電子メールなども含まれていたという疑惑があり、同局の行為がプライバシーの侵害にあたるとして、2013年11月現在、米国国内を中心に批判の声が高まっている。また、プリズムを利用した諸外国要人や大使館への盗聴行為も明らかになり、日本、フランス、ドイツなどの同盟国もその対象として挙げられている。