2013年12月27日金曜日

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド

別名:ニコチン酸アミドアデニンジヌクレオチド
英語:NAD
英語:NAD+
英語:nicotinamide adenine dinucleotide

生体内で起こる様々な酸化還元反応において、電子の伝達を行う補酵素の一種。特に、好気呼吸や光合成などで重要な役割を果たす。

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は、ニコチンアミドヌクレオチドとアデノシンがリン酸結合した化合物であり、ビタミンの一種であるナイアシンが化学変化したものである。水素と結合すると還元型となり、NADHと呼ばれる。

NADは老化との関連が注目されており、NADの量が加齢とともに減少していくことが老化に繋がるという説もある。カロリー制限によって生体内でのNADの量が増加することが、「長寿遺伝子」として知られているサーチュイン(NAD依存性ヒストン脱アセチル化酵素)遺伝子の活性化、さらには寿命延長に繋がるともいわれている。

また、2013年12月にハーバード大学やニューサウスウェールズ大学の研究グループが「Cell」誌に発表した論文によると、マウスに対してNADを投与したところ、2歳のマウスが生後6か月のマウスと同程度まで「若返った」という結果が得られた。研究グループは、2014年からヒトにNADを投与する臨床実験も行うとしているが、投与には1日あたり5万ドルもの費用がかかることが課題となっている。



関連サイト:
Declining NAD+ Induces a Pseudohypoxic State Disrupting Nuclear-Mitochondrial Communication during Aging - Cell