2013年12月27日金曜日

早老症

読み方:そうろうしょう
別名:早老症候群
英語:progeria

ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群、ウェルナー症候群、コケイン症候群など、老化に似た現象が急速に進むことで特徴付けられる複数の遺伝子疾患の総称。

早老症のほとんどの例では、体細胞分裂の不全に伴う染色体異常が見られ、それに起因するタンパク質の異常化が老化を促進させるのではないかといわれている。ウェルナー症候群では、細胞分裂の際に機能するヘリカーゼという酵素タンパク質に異常が見られ、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群ではラミンAという、細胞内で核膜を構成するタンパク質に異常が見られることが知られている。しかし、2013年12月現在、早老症の発症メカニズムには未解明の点が多い。

早老症には、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群のように幼児期に発症するものもあるが、ウェルナー症候群のように成人になってから発症するものもある。ウェルナー症候群は、特に日本人に多い疾患として知られており、全世界の患者の7割が日本人だとされている。

早老症の患者は老人のような顔貌をしており、脱毛、小人症、動脈硬化、白内障、糖尿病などの、通常は高齢者に特徴的な症状を示す。早老症患者は若年のうちに、主に動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などで死に至る。2013年12月現在、早老症の根本的な治療法は確立していない。