2014年1月22日水曜日

イルカ追い込み漁

読み方:イルカおいこみりょう
別名:イルカ追い込み猟
別名:イルカ追込み漁
別名:イルカ追込み猟
英語:dolphin drive fishing
英語:dolphin drive fishery
英語:dolphin drive hunting

水中に仕掛けられた網に、イルカ(小型のクジラ)の群れを追い込んで捕らえる捕鯨の漁法。イルカ追い込み漁は、イルカの漁法としては原始的な部類にあたり、世界各地で類似の漁法が行われていたが、2014年現在、この漁法を行っている地域は日本の和歌山県太地町にほぼ限られている。

日本では、かつては全国各地でイルカ追い込み漁が行われてきたが、明治時代の初め頃に、不採算などを理由として中止した地域が多い。2009年に静岡県伊東市の富戸で9頭のバンドウイルカが漁獲されたが、それ以降は和歌山県太地町のみで漁が行われている。太地町は古式捕鯨発祥の地として知られているが、中大型の鯨ではなくイルカを対象とした追い込み漁の開始は比較的最近のことで、伊豆の富戸や川奈で行われてきた漁法を学び、1969年から本格的に行われるようになったものである。

イルカ追い込み漁は、食肉や脂肪、革などを得るためだけでなく、生きたまま捕獲して水族館などの展示(イルカショー)や、学術研究に供するために行われることもある。また、地域によってはイルカによる漁具などへの被害が問題化している場合があり、害獣駆除としてイルカ追い込み漁が行われた例もあった。

イルカ追い込み漁に対しては、イルカに苦痛を与えるものだとして、動物愛護団体や環境保護団体などによる批判が行われており、一部の過激派団体が網を切断するなどの妨害行為を行った例もある。また、2014年1月にアメリカ国務省は、和歌山県太地町のイルカ追込み漁に対して「持続可能性と人道性を懸念している」とする反対意見の表明を行った。和歌山県は、太地町のイルカ追い込み漁を「地域特有の文化」と捉えており、水産庁の監督のもと、科学的調査の目的を兼ねて行っているとした上で理解を求めている。

関連サイト:
イルカ漁等に対する和歌山県の見解 - 和歌山県情報館