2014年3月3日月曜日

クリミア・タタール人

読み方:クリミアタタールじん
別名:Кримські татари
別名:Крымские татары
別名:Qırımtatar

ウクライナのクリミア半島に主に分布するテュルク系民族。大多数がイスラム教を信仰している。2014年現在、約25万人がクリミア半島に、約15万人がウズベキスタンなどの中央アジア諸国に居住しているとされるほか、トルコ、ルーマニアなどにも分布している。

クリミア半島は、15世紀から18世紀にかけて存続したクリミア・ハン国の一部であり、そこではクリミア・タタール人の祖先にあたるテュルク系民族が多数を占めていた。しかし、1787年から1791年にかけての露土戦争の結果、クリミア半島がロシアに併合されると、クリミア・タタール人はロシア国内の少数民族の一つとなった。また、その後のクリミア半島へのロシア人およびウクライナ人の移入に伴い、クリミア・タタール人はクリミア半島においても少数派となった。

第二次世界大戦中の1944年に、ロシアのヨシフ・スターリン政権は、クリミア・タタール人がナチス・ドイツに協力することを懸念し、クリミア・タタール人を中央アジアに強制移住(追放)させる政策をとった(クリミア・タタール人追放)。約20万人が、現在のウズベキスタンやカザフスタンにあたる地域などに移住させられ、移住の過程で半数近くが、飢えや強制労働によって死に至ったとされる。クリミア・タタール人の活動家は、クリミア・タタール人追放をジェノサイドとして認めるよう訴えを行っている。

戦後、強制移住を経験したクリミア・タタール人の多くがクリミア半島に帰還したとされるが、2014年現在も、クリミア半島におけるクリミア・タタール人は少数派であり、全人口の約1割程度にとどまっている。2014年3月に、クリミア自治共和国議会の議長は、独立の是非を問う住民投票を行うことを発表し、独立が達成された場合、クリミア・タタール人に対しては「これまでにないような権限」を与えるという方針を示した。

関連サイト:
住民投票、クリミア独立の是非問う 自治共和国の議長強調 - MSN産経ニュース(2014年3月3日閲覧)