2014年1月31日金曜日

一つの中国

読み方:ひとつのちゅうごく
別名:一つの中国政策
別名:一つの中国の原則
別名:1つの中国
別名:一個中國
別名:一个中国
別名:一個中國原則
別名:一个中国原则
英語:One-China
英語:One-China policy
英語:One China principle

中華人民共和国(中国)と中華民国(台湾)が一つの国家である、あるいはそうあるべきだとするイデオロギーのこと。

「一つの中国」の語は特に、中華民国政府の合法性を認めず、台湾は中華人民共和国の一部だとする、中華人民共和国側の立場を指すことが多い。中華人民共和国が「一つの中国」を原則として強く主張しており、中華民国との二重の国家承認を認めていない。一方、台湾では、近年は「一つの中国」論が強く主張される傾向は少ないものの、台湾側の立場を取った場合には、「一つの中国」は中華民国を指すことになる。

国共内戦の結果として、1949年以降、中華人民共和国政府と中華民国政府の2つの政府が、ともに「中国」を自称するようになった。中華人民共和国はその後一貫して、「一つの中国」のイデオロギーのもとで台湾との統一を目指しており、香港やマカオと同様に、「一国二制度」を適用することを現実的な手段として推進してきた。

一方、台湾では指導者が変わるごとに、中華人民共和国との関係の解釈が変化してきた。蒋介石時代には「一つの中国」の考えを堅持し、中華人民共和国に対する敵対姿勢を保っていたが、のちに李登輝総統が「両国論(二国論)」を、陳水扁総統が「一辺一国論」を主張するなど、「一つの中国」のイデオロギーを離れ、独立路線をとる傾向が見られた。