2014年3月28日金曜日

舌下免疫療法

読み方:ぜっかめんえきりょうほう
読み方:ぜつかめんえきりょうほう
別名:舌下減感作療法
英語:sublingual immunotherapy
英語:desensitising sublingual immunotherapy
英語:SLIT

花粉エキスを舌下から体内に取り込ませ、花粉症などのアレルギーを治療する方法のこと。リンパ節のT細胞などに継続的にアレルゲンを作用させ、免疫反応を弱める「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」の一つである。

舌下免疫療法では、薬剤を直接舌下に滴下する方法がとられることもあれば、薬剤を含ませたパンくずや錠剤などを舌下に含ませる方法がとられることもある。初めは低濃度で少量投与を行い、徐々に濃度と量を増やしていく。

舌下免疫療法は、アレルゲンを皮下注射する従来の方法よりも、痛みなどの負担が少なく、通院せずに自身で簡単に行うことが可能である。また、注射よりも喘息や咳などの副作用が少ないといわれている。世界保健機関(WHO)は、2008年に改訂されたARIAガイドラインで、舌下免疫療法が皮下注射よりも安全性が高いことを認めている。

一方、舌下免疫療法は最低数年間の継続が必要とされており、花粉症のシーズン以外にも治療を続けなければいけないことが欠点として挙げられている。人によっては口腔内に違和感を覚えるなどの副作用もあるといわれ、アナフィラキシーショックなどの重篤な副作用が起こる可能性もゼロではないとされる。

舌下免疫療法は、欧米では1980年代頃から臨床試験が行われ、2006年にはALK-Abelló社が花粉症の治療薬、「Grazax」錠剤を開発した。日本では2014年1月に、鳥居薬品株式会社の「シダトレン」(シダトレンスギ花粉舌下液)が、舌下免疫療法の薬剤としては初めて厚生労働省の承認を受け、2014年6月頃から保険適用となる見込みである。

関連サイト:
トリーさんのアレルゲン免疫療法ナビ - 鳥居薬品株式会社