2014年6月4日水曜日

単純所持

読み方:たんじゅんしょじ

単に所持していること。使用、配布、販売などの状況にかかわらず、持っていることそのもの(が適法か否か)に焦点を当てて論じる際に用いられる表現。

特定の危険物や麻薬などは、いくつかの法律や条例によって、理由如何を問わず単純所持禁止とされている。たとえば覚醒剤、拳銃、密造酒などは単純所持が禁じられている。つまり、覚醒剤は服用しなくても、拳銃は発砲しなくても、密造酒は販売・飲用されなくても、単に所持しているだけで違法となる。刀剣は純粋な鑑賞目的であっても無許可で所有することができない。

単純所持が禁止されている対象でも、許可を得ることで所持できる物は少なからずある。たとえば拳銃・刀剣などは銃刀法で単純所持が禁じられているが、申請して許可を得れば合法的に所持できる。猟師や、真剣を用いる剣術の師範などは、許可を得た上で合法的に銃刀を所持し、かつ正しく管理している。

近年ではとりわけ「児童ポルノ」を巡って単純所持の是非が多く論じられている。1999年に「児童買春ポルノ禁止法」が施行されたことにより、児童ポルノの配信、および、配信目的の製造や所持などが、違法(刑事罰の対象)とされたが、児童ポルノの単純所持は刑事罰の対象に含まれなかった。2000年代半ばの改正案でも、児童ポルノの単純所持を罰則対象とすることは見送られている。

2014年6月現在、児童ポルノの単純所持禁止に向けた法改正が再び検討されている。産経新聞などは6月4日付の記事で、年内にも成立する見通しであることと報じている。

関連サイト:
児童ポルノ法案が可決 衆院委、単純所持を禁止に - MSN産経ニュース 2014年6月4日