2020年4月6日月曜日

氾濫

読み方:はんらん

氾濫とは、氾濫の意味

氾濫とは、物事が溢れるほど出回るという意味で、自然災害に関しては居住区や畑が河川などの水で溢れること。また、大雨で河川の水位が上昇することを河川洪水と言い、大雨や長雨が予兆になる河川洪水は豪雨が原因で発生することが多い。氾濫には種類があり、堤防から川の水が溢れたり、堤防が破堤して起こる洪水を外水氾濫と言う。外水氾濫は流れの速い氾濫流が居住区に流れ込むため、短時間で大被害になる危険性がある。流れ込んだ氾濫流には泥水が混入し、洪水後も屋内に土砂が堆積し復旧に時間がかかるのが特徴である。外水氾濫は下流で雨が降っていない場合でも、山間部や上流の雨が集まることで発生する可能性がある。上流で雨が止んだとしても、下流に雨が到着するまでの間に水かさが増せば氾濫が起こってしまう。堤防決壊後の非難は困難なため、大雨が降る事前に非難をしなければいけない。

内水氾濫

居住区に降った雨が排水路に短時間で流入し雨水処理能力を超えたり、川の水位が上昇して建造物や道路が浸水したりすることを内水氾濫と言う。都市部の地表は浸水性の低い建造物や道路が多いため雨水が浸透しにくく、下水管の容量を超え雨水が溢れ出し、堤防が破堤したことで害水が市街地へと流れ、小河川から更に逆流する場合がある。国内の都市部にあるマンホールの多くは1時間に50mmまでの雨量が限界値で、それ以上の雨量の場合は逆流した雨水によって川が溢れていなくても市街地が浸水すると言われている。

氾濫危険水位

人口密集地域は地下街や地下鉄などの交通網が集積されているので、内水氾濫発生時の被害が大きいと危惧されている。内水氾濫の対策として環状七号線地下調節池など、建造物地下にある雨水貯留浸透施設を利用し河川への雨水流出量の抑制や、治水施設の整備推進など雨水管の許容量を増やす増強工事が必要である。事前に避難しやすいように、氾濫する危険がある水位を段階に分けたものを氾濫危険水位とし、避難の目安にしている。危険度のレベルは5段階で表記し、レベル1から4は氾濫に次ぐ危険性があり避難勧告に相当する。

レベル1は水防団待機水位と言い水防団が待機し始め、レベル2の氾濫注意水位は避難可能な状態で待機し氾濫に備える。レベル3の避難判断水位になると高齢者優先で避難を始め、レベル4の氾濫危険水位になると一部で洪水が発生している危険性があるので氾濫発生時の対応が求められる。また、避難判断水位や氾濫危険水位になると気象庁が洪水警報を発表する。危険度レベル5は既に氾濫状態にあり、適切な避難情報を把握し判断しなければいけない。

氾濫危険情報

河川の増水などに対し、住民の避難行動の判断基準になる洪水予報が国土交通省や気象庁で発表される。氾濫危険情報発表時の推移は氾濫危険水位にまで到達している。地域によっては災害が想定されるため、自治体レベルでの避難勧告が発令される。避難をする場合は氾濫マップを参考に、氾濫が発生しているであろう危険区域を確認し避難経路に沿って指定緊急避難場所へ移動しなければいけない。各市区町村や国土交通省が提供しているハザードマップが氾濫マップに該当する。ハザードマップは河川や浸水の他、氾濫時の土砂による危険地域も表示されるので把握する必要がある。

堤防決壊時は浸水区域が増加し、氾濫した水が集まりやすい低地では緊急避難をしなければいけない。増水によって移動が困難な状況になる前に浸水深別の避難方法がある。浸水深0.5mは車での非難が困難になり、ひざ上まで浸水が進むと徒歩での避難も難しい。浸水深0.5以上になると1階床面まで浸水が進むため、高低差のある避難経路によっては避難所に辿り着けない時がある。早い段階で避難所へ向かう必要があるが避難が遅れた場合は無理に移動せず、建造物の上層階に移動して非難するのが安全だ。冠水時は足元が見えないため、マンホールが開いていたり移動することが危険になる。避難所への移動が危険と判断した場合は、近隣の高所を見つけて避難するべきだ。高所への避難は長距離移動が難しい状況限定の行動であり、可能であれば指定緊急避難場所への移動を優先すべきである。