2014年3月19日水曜日

新たな国土のグランドデザイン

読み方:あらたなこくどのグランドデザイン

2008年に閣議決定された「国土形成計画」に基づく、国土づくりおよび地域づくりの基本計画のこと。おおむね2050年までを視野に入れた計画とされており、2020年開催の東京オリンピックがマイルストーンとして位置づけられている。

「新たな国土のグランドデザイン」においては、人口減少や高齢化が進行する状況の中でも成長を維持するために、コンパクト化、ネットワーク化を推進することが重視されている。都市機能の集約によりコンパクト化を実現し、コスト減少に繋げる方針のほか、ITを活用した拠点のネットワーク化により、人や企業同士の交流を活発化させ、生産性の向上やイノベーションに繋げる方針が示されている。また、グランドデザインの構築にあたっては、リニア中央新幹線の開通や格安航空会社(LCC)の広がりなども、重要な要素として取り上げられている。

「新たな国土のグランドデザイン」では、特に農漁村地域や離島における人口減少や高齢化の進行が課題として挙げられている。国境に近い離島の住民を「現代の防人」として重視し、離島における産業振興やアクセス向上に注力することで、離島住民の数を維持することが必要だとされた。また、南海トラフ地震や首都直下地震の発生を想定した上で、災害に強い街づくりを推進することや、災害発生時の活動計画を策定することなどもグランドデザインの中に盛り込まれた。

国土交通省は、2013年から「新たな「国土のグランドデザイン」構築に関する有識者懇談会」を開催し、国土のグランドデザインについての協議を進めてきた。国土交通省は2014年3月に「新たな「国土のグランドデザイン」の骨子」として試案を公表し、6月までに正式に策定を行う方針を示した。

関連サイト:
新たな「国土のグランドデザイン」構築に関する有識者懇談会 - 国土交通省