2013年11月22日金曜日

富士山

読み方:ふじさん
英語:Mt. Fuji
英語:Mount Fuji

静岡県と山梨県にまたがる、日本で最も高い山。標高3776メートルの独立峰である。

富士山は古くから、神仏が宿る霊峰として信仰の対象とされてきた。江戸時代には、関東地方を中心に「富士講」が組織されるなどして、富士山への登山および巡礼が盛んに行われるようになった。

また、富士山は浮世絵などの芸術作品のモチーフとして盛んに用いられ、日本の文化における象徴的な役割を果たしてきた。代表的な作品に、葛飾北斎の「富嶽三十六景」や、歌川広重の「東海道五十三次」、 横山大観の「群青富士」などを挙げることができる。文学における歌枕としても著名で、「万葉集」の時代からしばしば取り上げられている。

富士山は現代においても、日本人の「心のふるさと」として言及されることもあるなど、日本人の精神性と密接な繋がりを有している。国外においても、富士山は日本の象徴として捉えられている。

富士山を世界遺産に登録する運動は1990年代から行われてきたが、当初目標とされていた自然遺産への登録は、主にゴミ問題を原因として見送られた。その後、富士山の文化的価値を主眼に置いた推薦運動が進められた結果、2013年6月の第37回世界遺産委員会において、「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として、富士山が世界文化遺産に登録されることが決定した。登録対象には、富士山周辺の神社、遺跡、洞窟、湖なども含まれている。