2013年12月4日水曜日

プロドラッグ

英語:prodrug
別名:ドラッグ前駆体
別名:薬物前駆体
別名:医薬前駆体

それ自体は薬理活性を全くあるいはほとんど持たないが、体内で代謝されることにより活性化し、薬効を発揮する薬剤。

プロドラッグが投与されると、体内で加水分解や酵素による変換などを経て別の物質に変化し、その物質が薬理活性を示す。従来薬理作用を持つといわれていた物質が、のちの研究でプロドラッグであることが判明した例もある。

創薬においては、薬剤のプロドラッグ化は重要な手法の一つである。例えば、プロドラッグ化により経口投与が可能になったり、苦味が軽減されたり、水溶性が増大したりした例がある。また、「ロキソニン」などの商品名で市販されているロキソプロフェンは、プロドラッグ化により胃や腸への負担が少なくなっている。

プロドラッグ化は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の構築においても重要な手法の一つである。例えば、薬剤にキャリアーとなる高分子を付加し、標的に到達した時点でキャリアーが外れて活性化するという仕組みが採られることがある(受動的標的指向型DDS)。抗体や糖鎖の修飾により、薬剤に標的認識機能が付与される例もある(能動的標的指向型DDS)。