2020年7月13日月曜日

餞別

読み方:せんべつ

餞別とは、お世話になった人が旅立つときに贈る金銭や物品のこと。職場の人が仕事をやめたり近しい人が引っ越したりするときに渡す。お金を贈る場合は水引のある封筒を選び、品物の場合はお礼の言葉を書いたのしを付ける。餞別をくれた人へのお返しはしなくてもいい。「餞」の字は訓読みで「はなむけ」と読む。「はなむけ」の語源は、旅人が馬の鼻を行き先に向けた昔の風習にある。「別」の字は「わか(れ)」。平安時代から「むま(馬)のはなむけ」が「餞別」の意味で使われていた。

餞別の金額は、贈る相手やどれくらいの付き合いかで違う。仕事関係の人に自分一人で餞別を渡すなら、相場は3千円から5千円以内だ。引っ越しや留学といった個人的な付き合いの人に、自分一人で餞別を渡す場合は、付き合いの度合いによって千円から3万円以内と金額が幅広くなる。仕事の付き合いでも個人的な付き合いでも、誰かと共同で贈る場合は、一人当たり5百円から3千円で集めるケースが多い。餞別の金額に迷ったら、他の人にいくらにするかを聞いて合わせると無難だ。

のしの書き方では、水引の上に「御餞別」や「おはなむけ」と書く。水引の下には、自分一人で餞別を渡すなら自分の氏名を書くが、共同で餞別を渡す場合は「○○部一同」のように部署やグループ名を書く。ただし目下の人が目上の人に「御餞別」を使うのは失礼にあたる。そのため上司が退職する場合には「おはなむけ」や「御退職御祝」を使う。目上の人にはお金ではなく品物を贈る場合も多い。