2020年7月13日月曜日

ヘイトスピーチ

英語:hate speech

ヘイトスピーチとは、人種、国籍、性別など個人だけでなく集団が持っている特徴を、誹謗中傷したり、他の人にそのような行動に扇動する発言のこと。日本語ではカタカナのヘイトスピーチ以外に、憎悪言論や憎悪表現ということもある。英語ではhate speechだ。英語でも日本語でも定義は同じで、国内でも海外でもヘイトスピーチは深刻な社会問題として批判されている。

日本では在日韓国人に対するヘイトスピーチが昔から社会問題として存在していたが、そうした問題を規制する法律が整備されてこなかった。しかしながら、近年ヘイトスピーチは特定の民族に対する差別行為であり、人種差別撤廃条約の理念に反するのではないかという意見が出るようになった。また、マスメディアを通して規制法が必要だという意見が出てくるようになった。次第に世論が形成され、2016年にヘイトスピーチ解消法が制定され、国内ではじめてヘイトスピーチを規制する法律が生まれた。

ただし、この解消法には問題点があるという批判もある。それは理念法であるため、禁止規定と罰則がないということだ。つまり、ヘイトスピーチを警察をはじめとする行政は取り締まることができない。ドイツではユダヤ人に対するヘイトスピーチをすると処罰の対象になるが、日本ではまだそこまでの法整備は整えられていないのが現状だ。