ポスドクとは、ポスドクの意味
ポスドクとは、博士号を取得あるいは大学院博士課程を修了後、大学などの研究機関において、任期制の雇用形態で研究業務に従事している者という意味をもつ語である。ポスドクという言葉はポストドクター(博士研究員)の略称であり、英語のpostdoctoral researcherに由来する。2015年に文部科学省の科学技術・学術政策研究所が行った調査では、日本国内の大学・公的研究機関1157機関のうち、305機関にポスドクが在籍しており、ポスドクの延べ人数は 15910人だった。男女比は約7:3で、平均年齢は36.3 歳(男性 36.0 歳、女性 37.0 歳)であった。
ポスドクの専門分野としては、理学・工学などの理系分野が9割を占める。ポスドクは任期のない助教などの職と比べ、身分が極めて不安定である。独立した研究員として扱われるが給料も安く、勤務先から社会保険などの福利厚生を得ていない者も多い。
ポスドクは任期があるため、限られた期間で結果が出せなければ研究を続けることは困難である。2015年度にポスドクであった者が次年度に大学教員の職を得た割合は9.7%と低かった。年令が上昇するほど任期のない職につける確率は低くなり、35歳を超えると大学や公的機関で研究員としての職を得る可能性はほとんどなくなる。優れた研究者の離職を防ぐために、国が研究費を支援し研究員雇用を促進する「卓越研究員制度」が2016年から始まった。