2022年1月24日月曜日

学生と社会人の違い

学生と社会人の違いは、第一に「社会的な立場」という要素が挙げられますが、具体的な定義についてはあまり知られていないのも事実です。責任の有無や社会への参加などを正しく理解することが双方の違いを明確に定義するための条件になります。ここでは学生と社会人の違いや社会への関わり方、それぞれの言葉の正しい使い方や例文についてお伝えします。

「学生」「社会人」の違い・概要

学生と社会人は自身の行いに対する責任や社会的な立場に大きな違いがあります。学生は何らかの知識や考え方を学ぶ人であり、立場としてはお客様として扱われます。また、学生の行いについては一部の例外を除き、基本的に保護者が責任を負うことになるのも特徴の一つです。一方で社会人は知識や考え方を教える側の人間であり、自身の行いで生じる責任は自分で負うのが普通です。また、学生はお金を払う側ですが、社会人は働いてお金を貰う側になります。社会人は労働に従事して賃金を得る人とも言えるでしょう。

「学生」「社会人」の意味・読み方は?

学生は「がくせい」と読み、学校で学業を修めている人のことです。厳密に言えば大学生のことですが、単に学校に通う人全般を学生と呼んでも間違いではありません。学費や授業料などを支払って何らかの事柄を学ぶ人が学生なので、自動車学校や英会話学校などを利用する人も学生と言えます。社会人は「しゃかいじん」と読み、社会に参加して自分自身の役割を担う人です。社会への参加は狭義では会社などに雇用されて労働に従事し、賃金を得ることを意味します。一般的な意味では賃金の有無を問わず自分の役割を担う人を意味する他、保護者がいない人を社会人として扱うこともあります。専業主婦や定年退職者、学生ではない未成年者は社会人として扱われます。

学生と社会人は兼任できますが、どちらに主軸を置くかで社会的な扱いが変わります。学校に属して学業に従事していれば学生と呼べますが、社会人として働きながら学校に通う人は「学校にも通う社会人」と判断されるのが普通です。学生が仕事をする場合、その仕事に重い責任が生じれば社会人と言えます。具体的には会社を作って労働者を雇用するなど社会への影響が大きい仕事を行えば学生でも社会人と同等に扱われるのです。行為に対する責任の有無については保護者の庇護にあるかどうかで変わりますが、学生の多くは未成年であり、普通は保護者である親が責任を負います。しかし、成人に達していれば学生でも本人が責任を負うことになります。

そのため、必ずしも学生だから一切の責任が免除されるわけではありません。社会人の場合は社会に参加することが責任を自分で負うことの証とされているため、未成年であっても自分で責任を負うのが普通です。

「学生」「社会人」の使い方、使い分けは?

学生と社会人の違いは社会的な立場や保護者の有無など様々ですが、一般的にはお金を払って学業に従事している人が学生、労働に従事して賃金を得ているのが社会人として分けることができます。学生でありながらアルバイトに従事して賃金を得る人の場合は本業である学生として扱われます。社会人が夜間学校に通うケースも同様であり、この場合は社会人が本業です。学生は学校に通う人を意味する言葉なので年齢や性別は関係ありません。定年退職した後に大学に通う人も学生と呼ぶことができます。社会人は社会的な責任を負う人ですが、責任の定義は様々なので一概に言い切ることはできません。単に学生ではない人を社会人と呼ぶこともあります。

狭義では賃金を得る労働に従事する人が社会人ですが、労働者を雇用する経営者も会社組織を運営することで利益を得ているので社会人に含まれます。結婚して家事を行う専業主婦は直接金銭を得る労働には従事していませんが、家庭生活を円満に営むための家事に従事するという社会的な役割を担っているので社会人と呼ぶことができます。社会的な役割を担っていない人は社会人に含まれないとも言えますが、この認識は道義的な解釈です。怪我や病気で入院しているなどその状況が一時的なものであれば社会人ではないと見なすことはできません。働くことに何らかの問題があるわけではないにも関わらず働かない、社会的な責任を負わない人も社会人ではないと判断するのは困難です。

社会人の定義は幅広い人間関係を構築していることも挙げられるため、様々な分野で活躍している人と付き合いがあれば社会人と呼んでも支障はありません。学生は基本的に同じ学校、またはかつて同じ学校に通っていた人との付き合いが主であり、年齢も似通ったものになります。反面、社会人の場合は年齢や立場、国籍などを問わず付き合うことになります。人付き合いを通して接する世界の広さが大きく異なるのも学生と社会人の違いです。

「学生」「社会人」の用例・例文

「学生」の例文は「学生割引のサービスを行っています」「今日から君もこの学び舎の学生だ」などがあります。また、「いつまでも学生気分のままではいけない」など、比喩的な意味合いで使われるケースも少なくありません。「社会人」を用いた例文として、「先生を見習って立派な社会人になります」「社会人としての責任に年齢は関係ない」などが挙げられます。「社会性のある生活を営む人はすべて社会人である」など概念のように使うこともあります。