2022年1月25日火曜日

早いと速いの違い

「早い」は時間帯や時について言う時に使い、「速い」は、速度やスピードや動作について言う時に使います。

「早い」「速い」の意味・読み方は?

「早い」は、時間帯や時(時期・時季・時機)がはやいという意味です。「はやい」と読みます。「早」は音読みでは「ソウ」と読みます。部首は「日」で、人の頭上に太陽が昇りはじめるところを表現しています。そこから「早い」という意味を表すようになったのです。早朝・早暁・早春・時期尚早などの熟語にも使われています。それぞれ、早朝はそうちょう・早暁はそうぎょう・早春はそうしゅん・時期尚早はじきしょうそうと読みます。「時期尚早」は、「なにかをするにはまだ早い」という意味です。例えば、「君が社長の座を狙うのは時期尚早だ。」のような形で使われます。

「速い」は、速度やスピードや動作が「はやい」という意味です。「速い」は「はやい」と読みます。「速」は音読みで「ソク」と読みます。部首は「辶(しんにょう)」です。速度・速達・音速・高速道路・速戦即決などに使われています。それぞれ、速度はそくど・速達はそくたつ・音速はおんそく・高速道路はこうそくどうろ・速戦即決はそくせんそっけつと読みます。「速戦即決」は、「短い時間で勝負を決める」という意味です。「彼は、速戦即決で勝ち進んでいった。」のような形で使われます。

「早い」「速い」の使い方、使い分けは?

「雪が降るのがはやいです。」という文は、「はやい」の部分を「早い」にするか、「速い」にするかで意味が違ってきます。例えば、いつもは年が明けてから雪が降るのに、今年は12月に雪が降ったということを説明したかったのだとします。その場合には「雪が降るのが早いです。」と表記します。一方、雪が激しく降っている様子を見て積もりそうな気配を感じて警戒しながら「雪が降るのがはやい」と言っているのだとします。その場合には「雪が降るのが速いです。」と表記します。

また、「トラックが朝まだはやいのに、はやいスピードで走っています。」という文の「はやい」の部分を漢字にする場合を考えます。「朝まだはやい」は、朝という時間帯の中で、はやいほうの時間ということを伝えたいわけですから「早い」を使います。「はやいスピード」は、スピードがはやいということを伝えたいわけですから「速い」を使います。ですから、「トラックが朝まだ早いのに、速いスピードで走っています。」となります。

次に「光の伝わる速度は音の伝わる速度よりもはやいことは、かなりはやい時期から知られていました。」という文の「はやい」を漢字に置き換えます。「光の伝わる速度は音の伝わる速度よりも速いことは、かなり早い時期から知られていました。」となります。さらに「お弁当を食べるには、まだはやいです。」は「お弁当を食べるには、まだ早いです。」と表記します。「彼の投げるボールははやいです。」は「彼の投げるボールは速いです。」と表記します。「結婚を考えるのは、まだはやいです。」は、「結婚を考えるのは、まだ早いです。」と表記します。

ところで、「早春」や「速球」など、「早」や「速」の使われている熟語があります。「早春」は、「春の初め頃」「春の早い頃」です。「速球」は「速い球」です。このような熟語の意味から判断して、「早い」と「速い」を使い分けることもできます。

「早い」「速い」の用例・例文

「早い」「速い」の用例・例文には次のようなものがあります。
・川の流れが速いので、ボールを拾うことができませんでした。
・チータの走りはウサギの走りより速いです。
・速いランナーはかっこいいです。
・あの人は足が速いです。
・急いでいるのか、彼のお弁当の食べ方はいつもより速いです。
・彼女のタイピングの速度はとても速いです。
・彼女の計算は速いですが、正確です。
・彼女は仕事が速いです。
・新幹線よりも速い乗り物はありますか。
・知りませんでしたが、カラスも意外に速いのですね。
・あなたがお弁当を作るスピードはとても速いですね。
・速い人が、リレーの選手になればいいと思います。
・早い時間帯に仕事が入ったのですが、がんばります。
・まだ早いので、だれも来ていません。
・鎌倉時代の早い時期に彼は生まれました。
・早い時間の電車に乗りました。
・朝の早い時間に散歩をすると気持ちいいです。
・早い時間帯の映画館はすいています。
・衣替えにはまだ早いです。
・ふたをあけるのは、まだ早いです。
・早い時間帯に走っているランナーは速いです。
・高速道路を早い時間帯に走っているトラックはかなり速いです。