「検診」「健診」の違い・概要
「検診」と「健診」は、どちらも病気を予防するためのものです。病気予防には一次予防、二次予防、そして三次予防という三つの段階があります。一次予防は病気にならないようにすること、そして、二次予防は病気の早期発見や早期治療を指しています。三次予防では、リハビリなど病気の後遺症の進行を防いでいきます。そして、二次予防のために「検診」、一次予防のために「健診」という仕組みが設けられているのです。「検診」「健診」の意味・読み方は?
「検診」と「健診」、どちらも読み方は「けんしん」です。「検診」は、特定の病気を発見するために行われる検査のことを指しています。「がん検診」(大腸がん、肺がん、胃がん、乳がん、子宮がん等)や「歯科検診」など、調べたい部分にスポットを当てて調べていくのです。予防医学的には早期発見が大切と言われており、検診はそのために行われています。早く発見すれば、その分早期に治療を開始できるからです。「検診」は「二次予防」という位置づけになるでしょう。「健診」は、「健康診断」の略称です。定期的に健康かどうかをチェックするもので、学校や会社で行われることも多いです。身長や体重、血圧などを調べながら、体を全体的に調べていきます。平成20年からは、特定健診というメタボ健診もスタートしました。病院や健診センターなどで病気の有無を調べる、人間ドックと呼ばれるものも、「健診」のうちのひとつです。しかし、この場合は全額自己負担となります。人間ドックでは、がんや脳のスクリーニング検査などをオプションとして追加するケースもあり、「任意型検診」と言われることも。定期的にこれらの健診を行うことで、生活習慣を見直せるようになるでしょう。病気の危険因子を早い段階で発見できるようになるのです。
「検診」「健診」の使い方、使い分けは?
「検診」と「健診」は、どこを何の目的で調べるかによって、使い分けられています。ここでは、「検診」と「健診」の種類を具体的に挙げていきます。代表的な「検診」の種類
・がん検診
がんがないかどうか調べ、早期発見、早期治療につなげていく健診です。がん検診には、「対策型検診」と「任意型検診」の二種類があります。対策型検診は、国が集団の死亡率を下げるために、予防対策として行っており、住民健診や職域健診などがあります。検査費用にも公的な資金が投入されるため、費用は比較的リーズナブルです。検査対象者や受診間隔は、がんの種類によって異なります。胃がん、大腸がん、肺がん、そして乳がんと子宮がんの五種類が対象です。一方、任意型検診は、個人の死亡リスクを下げるために受ける任意型の検診です。こちらの場合は、自己負担額が大きくなります。
・歯科検診
虫歯や歯周病などがないかチェックしていき、早期治療につなげていきます。歯科検診で疾患が見つかると、検診費用も保険の対象となります。
代表的な「健診」の種類
・一般健診
一般健診の中で最も一般的なのが、労働安全衛生法で義務付けられており、事業者が労働者に対して年に一度以上実施する定期健康診断です。身体計測や血液検査、胸部X線や尿検査など、基本的な内容のものが中心となっています。その他にも、半年以内毎に一度実施される特定業務従事者の健康診断や、雇い入れ時の健康診断、海外派遣労働者の健康診断などもあります。
・学校での健診
学校保健法で定められている健診です。身体計測の他、視力や聴力、心臓疾患などについても調べていきます。
・特定健診
40歳から74歳までの人を対象とし、メタボリックシンドロームかどうかを調べます。糖尿病などの生活習慣病予防を目的としており、保健指導が必要な人をできるだけ早い段階で抽出していきます。
「検診」「健診」の用例・例文
「検診」の場合・定期的に歯科検診を受けて、虫歯や、歯茎の出血がないかなどを調べるようにしましょう。
・歯科検診で受けるブラッシング指導は、普段にもしっかり反映することが大切です。
・歯科検診は、歯医者さんで受けられます。
・セルフケアでは不十分な点も多いため、歯科検診は重要です。
・日本における死亡原因の第一位はがんのため、早期発見、早期治療のためにがん検診を受けるようにしましょう。
・がん検診では、がんの疑いがあるかどうかを調べます。
・がん検診で「要精検」となった場合は、精密検査を受けます。
・症状がなくても、がん検診で精密検査が必要と判断される場合もあります。
「健診」
・毎年健診を受けて、自分の健康状態を把握することは大切です。
・生活習慣病を防ぐために、健診は大きな役割を担っています。
・自覚症状が現れにくい病気は少なくないため、健診を受ける必要があるのです。
・今年の健診は、もう受けました。