2022年1月25日火曜日

認印と実印の違い

印鑑は使用する状況や提出する書類によって使い分けなければいけません。書類の重要度や状況に合わせて、認印を使用する場合と実印を使用する場合に別れてきます。認印と実印は必ず別の印鑑である必要はなく、同じ印鑑を使用することも可能です。しかし一般的には認印と実印は別の物を使用し、印鑑の大きさや形状で区別している事が多いです。

「認印」「実印」の違い・概要

認印は日常的な承認を行う時に使用する印鑑です。手軽に使用する印鑑なので、三文判と呼ばれることもあります。三文は現在の価値に換算すると、およそ90円ほどです。そのため価値が低く、手軽であるという意味合いを持った印鑑でもあります。

実印は主に不動産や車などを購入する場合に用いる印鑑です。銀行融資を受ける場合や生命保険へ加入する場合、遺産相続や公正証書の作成、土地の名義変更などでも必要となります。認印とは対照的に重要な場面で使用することが多いので、日常的に使用する印鑑とは分けておくことが一般的です。そして重要な場面で必要となるために、実印を必要とする場合には注意が必要です。実印を用いる場合には、書類の内容をよく確認して押印してください。安易な気持ちで実印を用いると、後に大きなトラブルの原因にもなりかねます。

認印と実印以外には、銀行印があります。銀行印は銀行で口座を開設する時や、解約するときにも必要です。上限を超えた金額の引き落としの際にも銀行印が必要となります。口座から上限金額以上の引き出しを行う時には、窓口で申請をしなければいけません。その際に預金者本人であるかの確認が行われ、証明された後に出金ができます。

「認印」「実印」の意味・読み方は?

認印とは自治体に印鑑登録を行っていない印鑑のことを言います。個人名が入っている小判型もしくは丸形の印鑑が主で、基本的には何本持っていても構いません。法人の認印は個人の認印と比較すると大型で、主に正方形の角印を用いられています。

認印の読み方は、一般的には「みとめいん」です。「にんいん」という読み方を用いる場合もありますが、この読み方でも間違いではありません。その他には認印の「認」の部分のみで「みとめ」と呼ぶ場合もあります。

実印とは自治体に印鑑登録を行った印鑑なので、法的な効力を有している印鑑です。印鑑登録を行う事ができる印鑑は個人では1つのみで、複数の印鑑登録を行うことはできません。実印はどのような形状の印鑑でも印鑑登録を行う事が可能です。ただしスタンプ式の印鑑では、印鑑登録を行う事ができません。スタンプ型の印鑑は印面がゴム製となっているので経年劣化する恐れがあり、元の形状を長く保つことが困難となります。そのため時間の経過とともに印影に対する真正性が薄くなっていくので、実印として利用することができないのです。ちなみに法人の場合には「会社実印」と呼ばれています。会社の代表者が複数である場合には、複数の会社実印を持つことも可能です。

実印の読み方は、「じついん」です。

「認印」「実印」の使い方、使い分けは?

認印は、主に簡易な申請や承認などをするときに使用されています。スタンプ式の印鑑も認印として利用できますが、使用用途が限られてきます。例えば、出生届や転入届、住民票の申請や戸籍謄本の請求など公的な書類の届け出や申請などでは使用できない場合が多いです。

スタンプ式の印鑑が活用される場面としてまず挙げられるのは、会社で事務を行う際の簡易な承認です。会社で行う簡易な承認は、大量の書類などに繰り返し押印する場合が多いです。スタンプ式の印鑑はインクが内蔵されているので、印面にインクが浸透してきます。その為通常の印鑑のように押印のたびに朱肉を付ける必要がありません。このように連続で押印できるスタンプ式の印鑑は、会社での事務作業などを効率的に行うために活用されている事が多くなっています。

その他には回覧板や荷物の受け取り、レシートやスタンプカードなどで良く用いられています。

実印は、重要な契約などを行う時に用いられている印鑑です。重要な契約の際には、その契約書に押印された印鑑が真正性のある印鑑だという事を証明しなければいけません。そして真正性のある印鑑だということを証明するためには、自治体で印鑑登録を行った印鑑であるということを証明する必要があります。その為重要な書類に印鑑を押印し契約などを行う時には、同時に自治体が発行した印鑑証明書の提出を求められます。契約書に押印された印鑑が実印であることを証明する印鑑証明書とセットになる事で、相手に対する信用度が非常に高くなるのです。

「認印」「実印」の用例・例文

認印の用例・例文は、「書留を受け取る際に、子供に認印を渡して受け取りをお願いした」や「婚姻届けを提出する際に、認印を押印した」などです。また「会社に入社する際の契約書に認印を押印した」という風にも用いられます。

実印の用例・例文は、「マイホームを購入する際に、購入先の不動産会社の契約書に実印を押印した」や「自動車の購入の際に契約書に実印を押印した」などです。その他には「自治体で印鑑登録を行う際に、実印を押印した」や「アパートの賃貸契約を行う時に実印を押印した」となります。