「頑張る」の敬語表現
「頑張る」は、「困難にもめげず、やり遂げようと力を尽くすこと」を意味する言葉です。「頑張る」を丁寧語にしたい場合は、語尾に「ます」を加えて、「頑張ります」と変化させます。これは、日常生活の中でもよく耳にする表現です。しかし、使うシーンや相手によっては、ややカジュアルな印象を与えてしまう場合もあるため、注意が必要です。対等な関係である仲間や、目下の立場にいる人であれば、「頑張ります」という言葉が適していますが、そうでない場合は、謙譲語や尊敬語を用いる方が望ましいでしょう。謙譲語にする際は、「精進いたします」や「努力させていただきます」などの表現を使います。その他には、「行く」の謙譲語である「まいります」を使って、「励んでまいります」とする場合もあります。謙譲語は、自分の立場を低め、相手に敬意を伝える言葉です。ビジネスシーンなどで、最もよく使われる表現でしょう。一方、「頑張る」を尊敬語にしたい場合は、「お励みになる」や「ご尽力になる」といった表現を使います。誰が「頑張る」のか、そして、使う相手の立場やシーンなどに合わせて、最適なものを選ぶことが大切です。
「頑張る」の敬語の最上級の表現
「頑張る」という気持ちを最上級の敬語で伝えたい場合は、「邁進してまいります」「精進いたします」などの言葉を使います。「誠心誠意」や「より一層」、「精一杯」などの言葉を前に付け加えると、「頑張る」という気持ちをさらに強調できるようになります。相手に自分の強い気持ちを伝えたい場合には、「精一杯邁進してまいります」や「より一層精励する所存にございます」などのように丁寧な表現を使いましょう。また、「誠心誠意精進いたしますので、今後ともご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます」とすると、「今後もよろしくお願いします」という意味が加わり、さらに丁寧な印象を与えることができます。「頑張る」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
ビジネスメールや手紙では、「頑張る」の敬語を以下のように使っていきます。「株式会社○○○○部○○様
いつもお世話になっております。
本日は、打合せで貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
弊社商品〇〇の改善点につきましては、早速対応いたします。
今後も、多くのお客さまにご満足いただけるよう、誠心誠意努めてまいりますので、ご指導ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
○○株式会社○○部○○」
「株式会社○○○○部○○様
いつもお世話になっております。
この度は、○○の件で弊社にご依頼いただき、誠にありがとうございました。
○○様のご期待に添えますよう、社員一同全力を尽くしてまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
○○株式会社○○部○○」
「頑張る」を上司に伝える際の敬語表現
「頑張ります」という表現でも、敬語としては成立しています。しかし、上司に対して、自分の「頑張りたい」という気持ちを伝えたい時に、「頑張ります」という言葉を選ぶと、相手によっては少し軽いイメージを抱かれてしまう場合もあります。そのような場合には、「努力してまいります」や「精進してまいります」などの言葉を選ぶようにしましょう。また、上司の功績や努力をたたえたりする場合には、「ご尽力になる」などの表現を使います。「ご尽力ありがとうございます」や「並々ならぬご尽力」のように使いましょう。しかし一方で、「頑張ってください」と、上司に自分の応援する気持ちを伝えたい場合は、注意が必要です。「お励みになってください」などの表現を使ってしまうと、どこか違和感を感じてしまうからです。普段からよくコミュケーションを取っている上司や、直属の上司など、身近な関係が相手の場合は、「頑張ってください」でも特に問題ないでしょう。しかし、厳しい上司や、あまり普段からコミュニケーションを取ることがない上司の場合には、気を付けましょう。そのような場合は、「頑張る」という言葉をストレートに伝えるのではなく、「ご検討をお祈りしております」や「微力ながら応援させていただきます」などの表現が望ましいです。
「頑張る」の敬語での誤用表現・注意事項
「頑張る」を敬語にした時に、しばしば「頑張らせていただきます」といった表現を見かけることがあります。「させていただく」自体は、「する」という言葉の謙譲語になりますが、この言葉は第三者や相手の許可を受けており、そのことによって自分が恩恵を受ける場合に使えるものです。「頑張る」ために、誰かから許可を得る必要はないため、この使い方は誤用と言えるでしょう。また、この表現を使うと、主体性がない印象も与えてしまいます。そういった意味でも、使用は避けた方が無難でしょう。「頑張る」の敬語での言い換え表現
・努力いたします・お励みになる
・ご尽力になる
・尽くします
・精進いたします
・尽力いたします
・努めてまいります
・励んでまいります
・努力してまいります
・力の限り努めてまいります
・より一層精進してまいります
・より一層尽力いたします
・より一層励んでまいります
・精一杯尽力いたします
・誠心誠意努力いたします
・誠心誠意精進いたします
・邁進いたします
・精励する所存にございます
・努力する所存です
・精進する所存です
・全力を尽くします
・全力を尽くしてまいります